気になる臨床工学技士の年収

気になる臨床工学技士の年収

臨床工学技士は専門職なので年収は高め、というイメージを持っている人もいるでしょう。実際のところはどうなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

年収はどれくらい?

生命維持装置を中心に多くの医療機器を扱う臨床工学技士は専門職のひとつで、医療現場に欠かせない存在です。専門職=給料が高い、というイメージを持つ人も少なくありませんが、厚生労働省が発表した「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、臨床工学技士の平均年収は426.4万円でした。看護師の平均年収は500万円前後といわれているので、比べると少ないように思います。
臨床工学技士と看護師はどちらも専門の養成所や大学などで学び、国家試験を突破しなければなりません。試験の難易度に少し差はありますが、学ぶ期間はほとんど同じです。それなのに、なぜこのように年収面では大きな差がついているのでしょうか。理由は色々ありますが、臨床工学技士は看護師に比べて夜勤が少ないこともそのひとつです。総合病院や大学病院のように24時間体制で稼働している病院は夜勤もあるので、シフトがあればその分手当がつきます。しかし、クリニックや医療機器メーカーは夜勤がないのでそのような手当がつきません。そのため、平均年収で見ると臨床工学技士のほうが低くなってしまうようです。

学歴で違いはある?

厚生労働省のデータによると、臨床工学技士として働いている人のうち約8割近くが養成所を卒業した人たちでした。大学を卒業した人は割合で見ると少なめです。学歴によって給料も異なるのでしょうか。
現在公開されている求人データを見ると、大卒の臨床工学技士の初任給は18~20万円程度、各種手当やボーナスを加えると初年度の年収は300万円前後が多いようです。養成所を卒業した人とそこまで大きな差はありません。どちらかといえば、学歴よりも勤務先によって給料が異なることが多いようです。

勤務先によって異なる

臨床工学技士の年収は学歴よりも勤務先によって左右される傾向があります。例えば国公立病院に勤務していれば、身分は公務員に準ずるものとなります。公務員は一般企業に比べると安定しているので、臨床工学技士も安定した収入を得られるでしょう。
民間の総合病院でも臨床工学技士を募集しています。しかし、民間の場合は病院によって規模が異なるので、設置している設備や提供している医療も違います。仕事内容はもちろん、手当の内容や福利厚生などにも大きく影響するため、年収も各病院で異なるようです。また、働く地域によって格差もあります。地方と首都圏では首都圏のほうが高い傾向があります。

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    臨床工学技士の平均年収は426.4万円です。同じ医療従事者ではありますが、看護師よりも低めです。なぜなら、勤務先によって夜勤や残業の有無が異なり、夜勤手当などがつかないケースもあるからです。

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