臨床工学技士と看護師の違い

臨床工学技士と看護師の違い

臨床工学技士について理解を深めるために看護師と比較してみましょう。臨床工学技士と看護師の大きな違いは担っている役割です。

仕事内容について

臨床工学技士は医療機器のスペシャリストと呼ばれている通り、様々な医療機器の操作や管理、保守・点検を行うのが主な仕事です。一方、看護師は看護の専門家として医師のサポートをしたり、病気やケガで療養中の患者に寄り添ってケアしたりするのが仕事です。医療処置だけでなく時には身の回りの世話も行います。チーム医療の中では患者に最も接点のある職業です。

国家試験の難易度について

看護師も臨床工学技士も国家試験に合格しなければなれません。どちらも専門の養成所で学んだ後に国家試験を受けることになります。進学先がどこなのかで通う年数は異なりますが、概ね、勉強する期間は同じです。しかし、国家試験の難易度を見てみると、看護師の国家試験の合格率は大体90%前後なのに対し、臨床工学技士は80%前後です。数字だけを見ると看護師のほうが高いので、取得しやすいかどうかで考えると、臨床工学技士は看護師よりも難しいといえるでしょう。合格率に差がある理由は色々考えられますが、臨床工学技士は医療の知識だけでなく機械に関する知識も必要です。より多くの知識が問われるため、看護師よりも難易度が高くなるのかもしれません。

就業先について

看護師の主な就業先は病院やクリニックなどの医療機関ですが、最近は高齢化に伴い、特別養護老人ホームや訪問看護ステーションのような介護施設でも看護師を必要としているところが多く、選択肢の幅が広がっています。臨床工学技士も看護師同様、主な就業先は病院やクリニックですが、臨床工学技士は医療機器を扱うのが仕事なので、病院だけでなく医療機器を扱う場所すべてが就業先になります。そのため、病院だけでなく医療機器メーカーなどで働いている人もいます。

夜勤や残業について

総合病院などの規模の大きな病院は24時間体制で稼働しているので、日勤と夜勤のシフト制を採用しているところがほとんどです。そのため、臨床工学技士も医師や看護師と連携できるように、夜勤になることがあります。
残業の有無は勤務先によります。大きな病院は患者の数も多いため業務が遅れたり、事務作業があったりなどで残業が発生することもありますが、クリニックは1日の人数が決まっているので残業になることはほとんどありません。
看護師も勤務先によって残業や夜勤の有無が異なります。クリニックは日勤のみで夜勤はありませんが、24時間看護を必要とする病棟勤務は2交代制や3交代制なので夜勤もシフトに組み込まれています。単純に回数だけを見ると看護師のほうが多い傾向にあります。

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    臨床工学技士の平均年収は426.4万円です。同じ医療従事者ではありますが、看護師よりも低めです。なぜなら、勤務先によって夜勤や残業の有無が異なり、夜勤手当などがつかないケースもあるからです。

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    臨床工学技士と看護師の違いについて見ていきましょう。大きな違いは「担っている役割」です。看護師は患者を直接ケアするのに対し、臨床工学技士は医療機器を通して患者の治療をサポートしていきます。